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東京高等裁判所 昭和59年(ネ)3409号 判決 1986年2月27日

主文

本件各控訴をいずれも棄却する。

控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

一  控訴代理人は、「原判決を取り消す。訴外丙野雪夫が昭和四九年八月二一日なした原判決添付別紙記載内容の遺言は無効であることを確認する。被控訴人は、各控訴人に対しそれぞれ金五〇〇万円及びこれに対する昭和五七年三月一〇日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決及び金員支払部分につき仮執行宣言を求め、被控訴代理人は、控訴棄却の判決を求めた。

二  当事者双方の主張は原判決事実摘示のとおりであり、証拠関係は原審記録及び当審記録中の書証目録及び証人等目録記載と同一であるから、これらを引用する。

理由

一  当裁判所も、控訴人らの本訴請求はいずれも棄却すべきものと判断するが、その理由は次のとおり附加、訂正、削除するほかは原判決理由説示と同一であるから、これを引用する。

1  原判決七枚目表五行目の「三ないし七」を「三ないし九」と改め、同裏一行目の「証人Å子」の前に「原審」を加え、同二行目の「被告財産管財人」を「当審証人C男の証言、原審及び当審における被控訴人財産管理人」と改め、同三行目の「原告花子、同月子」を「原審における控訴人花子、原審及び当審における控訴人月子」と改める。

2  同八枚目表四行目の「同棲」を「寝泊り」と改め、同六行目の「昭和四〇年」を「昭和四三年」と改め、同七行目の「それぞれ」の前に「おおむね」を加え、同行目の「花子は、」の次に「主として」を加え、同裏五行目の「続いていたが、」の次に「被控訴人に持ち上つた縁談も亡雪夫が強く反対して立ち消えとなつたことがあり、」を加え、同六行目の「また、」の次に「被控訴人は、前記のとおり秀和東中野レジデンスで亡雪夫が寝泊りするようになつて以降生活の資をもつぱら亡雪夫に頼るようになり、」を加える。

3  同九枚目裏六行目の「同居」を「寝泊り」と改め、同七行目から八行目にかけての「神山町二四番九号」を「神山町一四五六番地三五」と改め、同行の「神山ハイツ」を「神山ハイム」と改める。

4  同一〇枚目表一一行目の「遺言書」の次に「(別紙書面の原本)」を加え、同裏一〇行目の「歴史」の次に「教育」を加える。

5  同一一枚目表三行目の「一八三」を「約一八四」と改め、同六行目の「証人A子」の前に「原審」を加え、同七行目の「原告両名の」を「原審における控訴人花子、原審及び当審における控訴人月子」と改め、同裏三行目の「内縁的関係」を「半同棲の男女関係」と改め、同一〇行目の「昭和四二年二月ころ」を「昭和四三年頃」と改める。

6  同一二枚目裏八行目の「原告ら」を「原審における控訴人ら」と改める。

7  同一三枚目表三行目の「検討する。」の次に行を代えて、「思うに、不倫な関係にある男女の一方が他方に対し自己の財産を遺贈するとの内容の遺言をした場合において、その遺贈が不倫な関係の継続を強要することを目的としてなされたときは、右遺言が公序良俗に違反し無効であると解すべきことは当然であるが、不倫な関係を継続するためではなく、他方の生活を保全するために遺贈がなされたにとどまるときは、財産供与の範囲が著しく不相当でない限り、このような遺言までも公序良俗違反のゆえに無効であるということはできないと解される。」を加え、同五行目の「昭和四二年二月ころ」を「遅くとも昭和四四年頃」と改め、同六行目の「同棲または」を「いわば」と改める。

8  同一四枚目表七行目の「主目的は」の次に「もつぱら生計を亡雪夫に頼つていた」を加え、同裏九行目の「昭和四〇年ころ」を「昭和四三年頃」と改める。

9  同一五枚目表一一行目の「とうてい」を削り、同裏一一行目の「原告ら」を「原審における控訴人花子、原審及び当審における控訴人月子」と改める。

二  よつて、原判決は相当であつて、本件各控訴はいずれも理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法九五条、八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。

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